ノイズなのにカラー?ホワイトノイズ・ピンクノイズとは

音響などの測定に使われる、ホワイトノイズ・ピンクノイズについてご紹介したいと思います。
ノイズといえば音ですよね。それに色の名前がついているって不思議ですね。これはノイズの特性からつけられた名前で、様々な測定のために人工的に作られたノイズなのです。

 

人間の声は1つの周波数からできていない

まず、音は空気の圧力変化によって耳に伝わります。この圧力変化が1秒間に繰り返す回数を周波数と言い、Hz(ヘルツ)という単位で表しています。この周波数によって音の高さが決まります。周波数が高ければ高い音、低ければ低い音になるのです。しかし、音が一つの周波数でできていることは稀で、聴力検査で聞く音くらいでしょうか。実際には私たちが日々聞いているのは、沢山の周波数が複雑にまじりあった音なのです。人間の声には80Hz〜数kHzくらいの周波数が、ピアノの音には30Hz〜4kHzくらいの沢山の周波数が含まれていると言われています。

 

 

1オクターブの周波数帯域は2倍ずつ増えていく

ホワイトノイズ・ピンクノイズの話の前に、オクターブバンドの説明をします。オクターブとは、周波数比が 2 倍となる音程のことです。例えばピアノのドから次の上のドの音は261.6〜523.2Hz、さらに次のドの音までは523.2〜1046.4Hzと2倍になっています。ピンクノイズは
さらに補足すると、オクターブバンドを 1/3 に分割したものを、1/3 オクターブバンドといいます。ピアノの鍵盤は黒い鍵盤も含めて12ありますから、ピアノの音は1/12オクターブバンドとなります。

 

 

ホワイトノイズは白い光と同じ特性

ホワイトノイズとはどういうものなのでしょうか?
先ほどご説明した通り音には沢山の周波数が含まれていますが、ホワイトノイズはその全ての周波数のエネルギーが同じ強さの音をいいます。ホワイトノイズを周波数を横軸にエネルギーを縦軸にとってグラフ化すると、フラットなグラフになります。様々な周波数を広い範囲でまんべんなく含んだ光が白いことから、ホワイトノイズと呼ばれています。実際に音を聞くと「シャー」という感じに聞こえます。

 

 

ピンクノイズはピンクの光と同じ特性

ホワイトノイズでは周波数ごとの強さが一定なのに対して、ピンクノイズは周波数ごとの強さが高い周波数になるにしたがって少なくなる音です。
周波数を横軸にエネルギーを縦軸にとってグラフ化すると、周波数に反比例した右肩下がりのグラフになります。エネルギーは1オクターブに3dBずつ下がっていきます。このピンクノイズはオクターブごとのエネルギーが同じになります。例えば、261.6〜523.2Hzのエネルギーと523.2〜1046.4Hzのエネルギーは同じになります。この特性から、音響調整や測定に多く使われています。
ピンクノイズはホワイトノイズを、ローパスフィルタに通すことで生成できます。同じ特性を持った光がピンク色に見えることから、ホワイトノイズに対してピンクノイズと呼ばれています。実際に音を聞くと「ザー」という感じに聞こえます。

 

ホールの音響測定や雑音対策にノイズは使われる

ピンクノイズは音響測定や音響調整に多く使われます。コンサートホールなど音楽を聴くための施設だけでなく、放送設備があるデパートや体育館、講演会場や会議室、さらには遊園地などの屋外施設でも音量や音質の調整が行われることが多くなっています。
美しい音を響かせるように、多くの人にアナウンスがはっきりと聞き取れるようにと調整が行われているのです。音響測定や音響調整では測定する場所の目的にもよりますが、音が全ての場所で同じように聞こえることが理想です。スピーカーから音を出して複数の場所で測定を行い、同じ音量・音質になるように調整されます。

 

ホワイトノイズは建築音響によく使われます。建築音響とは建築物の雑音・騒音対策などを主に扱う分野です。外からの騒音に対しては防音の壁や窓を使ったり、室内の騒音に対しては他の部屋からの音を遮断したり、室内の吸音力を上げることで対策します。実際に建物の外部・隣室などから測定音を出し、建物内部で測定することにより防音効果を評価することができます。

 

ホワイトノイズとピンクノイズの名前の疑問は解消しましたか?普段使っているデパートでも迷子のアナウンスがどこにいても聞こえるように、講演会場で話がはっきりと聞こえるように、設備が調整される中でノイズが役立っているのかもしれませんね。